2018年09月23日

空降る飴玉社のreシアター を観て


       『 ランプアイの唄 〜from summer to from spring〜 』
    
               脚本・演出 : 加藤 薫   


  日時  2018年 9月14日(金)〜16日(日)  会場  人間座スタジオ   

 「 今作は、滋賀県の琵琶湖に浮かぶ有人島・沖島をモデルにした縹島で暮らす、小学校時代のクラスメイトと、その担任の先生を中心とした人間ドラマで、それぞれの登場人物の歩みを近くで見てくれ」と前説にあるが、数少ない島の子供らの、小学生から中学・高校・大学と成長して行く姿を、丁寧に描いている。

 これといって取り立てて、子供らの間に事件が起こるのでもなく、日々の暮らしの悩みであったり進路に対する迷いであったり、友人を好きになったりとの心の襞を、心優しい元教師が見守って行く。
 そして教師は暴風雨の日、子供を助けようとして湖に落ちて死んでしまうのだ。

 小さな島での様子が、生活が、どこまでも自然に沿って描かれていて、何とも言えない素朴な感じが伝わって来る、心温まる作品だった。
 
 舞台は、いくつかのサイコロ(箱)を組み合わせながら、いろいろに変化させ、場所を何個所も設定して行くのだが、しかもそれを出演者が同時にやっていて大変だと思うのに、手違いもなくスムースに劇は進行していた。
 しかし苦労している割には、場面が変わったようにはあまり思えなかった。

 またこの作品は、歳を経るというストーリーだから、出演者は歳と共に変化が要求されるのだが、狭い会場では観客も間近かだから、あまり変化が見て取れなかった。
 この時の流れを何かの方法で、もっとはっきり印象付けられていたら、時と共に移ろい行く子供らの姿が、はっきりしたように思うのだが、やはり全体的にはあまり変わり映えのしない印象だった。 

 何時も感心するのだが、作・演出の加藤薫さんは役もやってられて、しかも年に数回もの公演を打ち続けてられる。
 今が一番才能が輝く時なのだろうと思って、妬ましいかぎりだ。
 これからもゴリゴリ書いて発表して行ってください。応援しています。

飴玉社.JPG
 
posted by 人間座 at 20:03| Comment(0) | 日記

2018年09月11日

劇団めいろ 第3回公演 を観て


       『 白雪姫 』     脚本・演出  加島百菜

    日時  2018年9月7日(金)〜8日(土)   会場  人間座スタジオ
 


 「家庭とは、最小単位の牢獄だ。私達は産まれた瞬間から、額縁の中に飾られてしまった写真のようにそこから逃れられなくなる。」と作・演出の加島百菜さんは書いてられる。
 「いいこ、いいこ。本当に好い娘ね。」と言われながら育って来たに違いない彼女の、日頃の鬱憤がこの作品に込められているようだ。
 それも何んと、かの世界的にも有名な作品「白雪姫」を題材にして、それを現代版に置き起こしたとのことだが。

 ところでこの作品では「白雪姫」を次のように解釈しているようだ。
 これは初めて聞くのだが、”白雪姫の母親は継母ではなく、娘を慈しみ愛しむあまり、自分の思うようにならない娘に殺意を抱き、城から追い出した”というのだ。

 作品の内容は、母親と娘の日常生活上の葛藤が中心で、そこから逃げ出したいと悩む娘だが、学校の友人達や先生とのふれあいにより慰められ元気づけられて行くと言う筋書きで、 娘は母親に反抗する事も無く、何事も起こらない青春の日々が過ぎて行くと言うお話しだった。

 出演者の演技も素直で力みもなく良かったし、劇団めいろさんのカラーなのか、チームの醸し出す雰囲気は、優しくて美しく、温かさが伝わってくる良い舞台だった。

 何時までも、良い仲間と共に、演劇に携わって行かれる事を願っています。

             めいろ.jpg

 
    
posted by 人間座 at 21:16| Comment(0) | 日記

2018年09月07日

劇団紫第75回定期公演 を観て


     『 白 と 黒 の ア ト リ エ 』
 
      原案 井上智佳 / 脚本・演出 桜咲 / 演出補佐 めい

     日時  2018年9月1日(土)〜2日(日)  会場  人間座スタジオ  

 スッキリした黒の舞台に、白の衣装。
 女1 男2 の3人の登場人物だけで、90分の内容。
 「涙あり、笑いあり、アクションありの全米満足度100%の超大作」とありますが。

 最初は期待して観ているのだが、次第に舞台から離れてしまい、最後には幼さを感じてしまうのは何故か。
 
 みんなは何に執着してこの作品を創り上げたのかな.....男女の恋愛物語なのかな......それを何故童話の世界のような、魔法使いが出てくるような世界にしたのかな......エンターテイメントを考えてなら、もっと照明にも音響効果にも工夫を凝らし、観客を楽しませて欲しかったがな。

 自分達がやりたいものをやるのは一番大切なことだが、作品は安易に取り扱うのではなく、もっと大事にして、観る側も想定する必要があるのではないか。
 でも、これも若い人達には面白いのかもしれないものが、誰にも面白いとは限らないし複雑だ。

 良かったのは、3人が懸命に、ソツなく、しっかり一遍の作品として舞台をまとめ上げているところだ。
 
 先輩の重責は重たいことでしょう。
 何しろ部の歴史を背負い、後輩にバトンタッチしていかねばならないし、レベルも落とせないところに立っている皆さんに、エールを送ります。

佛大].jpg



 

 
posted by 人間座 at 09:37| Comment(0) | 日記