2019年02月25日

正直者の会 の公演を観て


           『 田中遊 「戯式 vol.9」京都 』

   日時  2019年2月16日(土)・17日(日)  会場  人間座スタジオ

 ”四次元演劇”というコンセプトのもと、『戯式』は田中遊氏の一人芝居で、三重・大阪・愛媛とやって来られ、ここ京都の人間座スタジオでも、初めて観劇することが出来た。

 今回は三作品から成り立っているのだが、先ず最初の作品からびっくり仰天。
 ”ラジカセ3台+ipad"とあるが、4台の機材から流れてくる他人のセリフに、田中氏は見事に対応して、大変面白い。
 自由闊達な演技にただただあっけにとられ、こんな事も考えられるのかと田中氏の才能に脱帽。

 他の二作品は、最初の作品がインパクトが強かった分、印象が薄れてしまいがちだが、二番目の芝居こそは、役者としての本領がもっと発揮されてしかるべきではなかったかとも思った。

 先ずは多才な田中遊氏は貴重な人材だと改めて確認でき、ますますの活躍を期待しています。
 
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2019年01月30日

劇団紫 2018年度卒団公演 を観て

      『 不幸せの黒い鳥 』   脚本・演出  桜咲

    日時  2019年 1/26(土)〜1/27(日)  会場  人間座スタジオ

 先ず幕開きに、チルチル・ミチルの兄妹が出て来る。
 これはチルチル・ミチルの「青い鳥」の、「幸せと言うのは、案外身近な所にある」というメッセージが込められている話なのかなと思いきや、次に花屋の兄妹が出て来るのだが、こちらは「黒い鳥」を追いかけているという。 どちらの兄妹も大変仲が良い。
 そもそも「黒い鳥」とは何ぞや?
 「黒い鳥」は夜、人の夢に入り込み、その夢の主に究極の不幸を見舞うのだそうで、だから夢が醒めるまでに、殺してしまわねばならないのだそうだ。
 この二本の筋書きが何故交錯するのかという説明は、夢の中で活躍する師匠という男のセリフに、
 「誰かが幸せを感じる時、誰かがバランスを取るために不幸になる。」とある。
 つまり「青い鳥」は、「黒い鳥」を生み出すことになるようだ。

 花屋の妹は「黒い鳥」に襲われて消えてしまった兄の復讐のため、「青い鳥」を放ったチルチル・ミチルの兄妹を殺そうとするが、でも殺せなかった。

 台本を読ませてもらうと理解できるのだが、舞台では少し分かり難く、観念的に思った。
 でも2名の卒団生をしっかり支えていた、次を受け継ぐ後輩の姿が逞しく、飽きさせない良い舞台になっていた。

 卒団生の桜咲さんは、作・演出・出演と三役をこなし、よく劇団をこれまで引っ張って来られたと思う。
 また同じく井上智佳さんも大きな役を担って頑張っていて、この二人はいつも創造の中心であった。
 お疲れ様でした。

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2019年01月23日

gallop の公演を観て


     『 石飛びこむ 鯉浮きあがる 』  構成・演出  gallop 

   日時  2019年1月17日㈭〜20日㈰    会場  人間座スタジオ

 これは何なんだろう。
 「個々の思考と集団による思考、過去と未来、経験と直感。相反するものさえ複雑に絡み合い、容易にひとつの形にはならないもの。」とキャッチフレーズにある。
 そして今回は「白夜」をモチーフに新作パフォーマンスを上演するそうだ。

 一つの物が、人により色々に受け止められ、話も変化していくと想定される1シーン。
 また、あれは何の動きかと思わせる、身体全体で表現される喜怒哀楽の1シーン。
 また、一方的に喋って終わっていく言葉、言葉の1シーン。
 それから、度肝を抜かれて、ただただ見守るばかりであった、何の関連もなく全裸でうごめき回る1シーン。

 観劇後、初めて”gallop"の公演を観たという人が、「これは何処で観られるのですか?」と聞いていた。
 また、出演者が言っていたのは、「自分を見て欲しい」との思いから創造されているとのこと。
 
 台本があるでもなく、4人のメンバーの感性だけを研ぎ澄まし、シーンを積み重ねて出来上がった舞台。
 天井のトユを伝わって落ちて来る石の粒が、鉄板にあたって鋭い音をたてる。
 観客はその音にはっと我に返るのだが......それは、いつも見慣れた演劇空間に投げかけられた石が、波紋を作って行くように、新しい疑問を投げかけて来る。
 流石に京都造形芸術大学出身者の皆さんの、大胆で勇気のある創造への挑戦が、はっきり見て取れる舞台であったし、また若いということは、全裸の姿も美しいという印象だった。

 ひとつ望むなら、自己表現だけに終わらずに、自己と切り離せないシュチュエイションが必要ではないだろうかと思うのだが、あまり重要視されていないようだが、どうだろうか。

 益々のご活躍を!     

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posted by 人間座 at 03:10| Comment(0) | 日記