2018年06月05日

劇団明日の鳥 2018年度新歓公演 を観て


       『 こ こ だ け の 話 』    
              
                脚本 高橋いさを  演出 南山拓実


          5/31 & 6/1     @ 人間座スタジオ

 京都府立医科大学総合芸術部の”劇団明日の鳥”さんの舞台を、初めて観させてもらったが、なかなか落ち着きのある、奥行と幅の感じられる、見応えのある舞台であった。

 作品の内容は、「3年前に訪れたホテルの一室を再訪し懐かしむ男の元に、突然ウェディングドレスの女が飛び込んできて、”あなたがあたしをしばらくここに置いといてくれれば、一人の女が不幸な結婚をしなくてすむんです”と乞う」ところから始まる、何とも滑稽な話で、登場人物は三人のみ。

 で、対話だけでもって観客を劇の世界へ引き込んで行こうという、......それは大変難しい技術を要すると思われるのに、そんなことなど少しも臆することなく、自然体で役の中に入り込んで役を生きてゆく、そのおおらかさ、......観客に迎合することなく、全員で劇行為を追って行く姿勢は好感が持てたし、舞台は適宜な緊張感を持続しながら最後まで楽しませてくれた。

 劇団は2000年に結成されたそうで、18年の歴史があるのだが、しっかりと演劇に向き合って探究されて来てられるのだと知る。
 この良い伝統が、これからも継続されて行かれることを、願ってやみません。

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2018年05月15日

All About Aerial vol.2 を観て


      誰も観たことない自由な表現を求めて。
                    エアリアル実験劇場



    日時  2018/5/12(SAT)〜5/13(SUN)  会場  人間座スタジオ

 初めてこんな素敵な”ショウ”を観せてもらって、何だか美味しい洋菓子を食したような、幸せな気分になりました。

 主催者の安本さんにお会いした折お聞きしたのでは、芝居でも時々使用するハンモックのような物を吊るすのだろうぐらいに思っていたところ、豈図らんや、高さ4m50cmの天井から、赤や黒や白の布地や輪、ロープ、ブランコ等が吊り下げられた中を、奇抜な衣装を身にまとい、光と音の効果も相まって、自由自在に仕掛けを手玉に取りながら演じられる、不思議にも怪しげなパホーマンス、サーカスのような......言葉はなくともその動きの見事さに魅せられて行くのだった。

 そして数本の作品が次々に模様替えされながら演じられて行くそれは、まるでスタジオの空間が、何処かのクラブの”ショウタイム”の様相を呈して来て、観客も楽しみながら、また固唾を飲みながら魅せられていたし、中でも、最後の群舞は見事だった。

 京都でこんなエンターテイメントな舞台を創り出すグループが出てきたことに、大いに胸を高鳴らせています。

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posted by 人間座 at 14:19| Comment(4) | 日記

2018年05月08日

劇研アクターズラボ+このしたやみ 第1回公演 を観て

 
       『 友 達 』    原作:安部公房   演出:山口浩章

     日時   2018年5月4日(金)〜6日(日)   会場   人間座スタジオ

 先ず第一に感じたこと。
 この企画は、思うところがあってか、第1回公演の作品からして、安部公房の作品を持ってきて、1年間の演劇修行の結果を、優れた演出の下で競わせ、若い人達も懸命にこの大作に取り組んでいる姿勢が印象に残る、目新しくもあり斬新な良い舞台であった。

 演出は、安部作品がお好きなのだろう、あの手この手の舞台仕掛けを編み出しては、この作品の面白さを観客に伝えようとしている。
 それはそれで楽しいし、それによって大いに救われているのだが、演技者が、この作品の世界のセリフを操るのが、どうも危なっかしいような感じがするのは何故だろう。
 名作などと言われる古い作品は、若い人達には苦手で、手こずったのだろうか。

 それから、作品の内容は、「アパートで一人暮らしをする男の部屋に、ある日見知らぬ家族が訪ねてくる。
孤独な人の助けになることが自分たちの”仕事”だと主張して......」とあるように、一見リアルな世界のようでいて、これがナチュラルな演技では表現出来ない、安部作品の難しさ、”不条理”を 伝えきれなかったのではないかと思った。

 何はともあれ、素晴らしい試み、面白い舞台でありました。

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posted by 人間座 at 20:23| Comment(0) | 日記