2017年07月11日

劇団ACT 夏の短編公演 を観て


          『 クリームソーダの泡 』    総合演出  ういもなか
    


  1・『 姉弟 』 2・『 浮つく寝室 』 3・『 アトムより 』 
           4・『 エアメールの嘘 』 5・『 一人部屋 』 

 


          日時  7月8日(土)〜9日(日)   会場  人間座スタジオ     

 実に爽やかな良い舞台だった。
 エンターテイメントの舞台が歓迎される近頃、まずは作品の内容に誠実に迫ろうとしている姿勢が見える。
 これは劇団ACTさんの従来からの目指す方向性でもあり、こうしてしっかり受け継がれて行くのだな。
 観客に作品の中身をしっかり届けようとしているのだ、しかも自信を持って。
 今回は5編の短編が並べられてあるが、どの作品も最後には一捻りの落ちがついていて、「大人の目線」を持った、観客に「現代」を感じさせる作品になっている。それも演技だけを頼りにして。
これは俳優修業には良い勉強になるだろうな。

 5作品の中では、上級生の『姉弟』と『一人部屋』が見応えがあって面白かった。
それにしても新入部員から1、2年で、演技者としてもぐーんと成長されているキャスト達に目を見張るばかりだ。
それから、良い作品を書いたり演出したりして劇団を支え、後輩の指導に当たっている小見川風弥さんをはじめ、劇団ACTの皆さん、次の舞台も楽しみにしています。

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2017年07月06日

劇団FAX第3回公演 を観て


      贋作・蟹工船 』
          原作 小林多喜二  作・演出 玉井秀和


          日時  7月1日(土)〜2日(日)    会場  人間座スタジオ

 面白かった。
 芝居の好きなメンバーだなと思う。
 目一杯に、体ごとぶつけて表現して来る演技は、迫力があって観客を惹きつけて行く。
それも、狭い空間の中を、機材のキャスターを蟹工船に見立てて、ゴロゴロと引きずりながら、叫び、動き回り、最後には切々と訴えかけて来るのだ。

 しかし、観終わって考えるに、全体的には、観客に楽しんでもらう、エンターテイメントに重きを置いた作品だったように思うのだが.....
 何故なら、贋作「蟹工船」とあるが、原作の小林多喜二の作品の中から取り出して来たのは、北の海で蟹を獲る船とその乗組員の姿だけで、この漁船が問題ではなかった。
 作・演出の玉井秀和さんは、この船を月資源開発に必要な蟹油精製の蟹工船にしている。
そしてその船上で、「月の世界」に憧れる姉と弟が偶然にも乗り合わせることになるのだが.....
 姉弟は親達から、自分を犠牲にして火に飛び込んで行った兎の話、神様がその兎を月の世界に甦らせた話を聞かされて育ち、宇宙への果てしない夢を追いかけることになるのだが.....とこのように、原作からはすっかり様変わりした作品になっている。

 この舞台で初めて知った玉井秀和さんだが、スケールの大きな、捉えどころのないと言うか、まだまだこれから何を見せてくれるのか楽しみな、能力のある人のようだ。
 これからの益々の活躍を期待しています。

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2017年06月29日

劇団紫第72回定期公演 を観て


    『 カ レ ラ の ウ タ 』
                脚本・演出  桜咲

        日時 6月24日(土)〜25日(日)     会場 人間座スタジオ

 今回の舞台で目についたのは、新入部員の個性豊かな逸材が、揃っていることだ。
そして、彼らが初めての舞台だとは言え、多くの部分を支えていて頼もしい。これからもきっと力強い、面白い舞台を観せてくれるに違いない。

 さて、作品の内容についてだが、仮想の世界を借りて生き様を描こうとしているようだが、時間と空間を飛び越えてプロットが組み立てられていて、ストーリーを追い難いところがある。
 異物(悪魔や天使)と人間との交わりにより生まれた半端者・捨て子のマークリーとフィーン、その二人の間に生まれたアウル、この三人にまつわる話だが.......
 村には度々その名をエントライル(臓物という意味)と呼ばれる、殺人や虐殺で人類の破滅を目論む組織が現れた。
 マークリーはその組織と戦い、その首領を追い詰めたのに、何故か姿を消してしまう。
 アウルはトーチ(マークリーの隣人)に育てられるのだが、英雄と言われていた父親が、裏切り者と言われ、大悪党の息子にされてしまう.....英雄に憧れ「認められたい、特別になりたい」と願っているのに。
 そして、母フィーンにやっと会えて、エントライルの首領が彼女であったことをアウルは知るのだ。
 マークリーはフィーンを愛していたがために、「わたしを殺して英雄になれ」という彼女の言葉を無視して去ってしまったのだ
 
 それにしてもフィーンがよく解らないのは何故か?
何故エントライルになったのか、セリフの中には、「虐げられた者の復讐」のような言葉があるが、声も小さくて聞き取り難く、弱々しい。
 綺麗にまとめ上げるのではなく、可愛さや優しさだけが強調されるのではなく、もっと腹の底からの叫びが演技に出てくる必要があったと思ったが.....舞台全体から受ける印象は、誠実な姿勢がかんじられ、好感が持てた。

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