2019年01月05日

かんから館 第38回公演 を観て

 
       『 消えます。』    作・演出  川村武郎

   日時 2018年11月30日(金)〜12月2日(日) 会場 人間座スタジオ

 


 作者の川村武郎さんがこれまでに辿って来た過去と、これから辿るであろう未来を見据えて、その岐路に立って「消えます」と心境を吐露されたようにも聞こえる題名。

 「消えたい」=「死にたい」と言う、「死」に対する問答になって来るが、でもそれを深刻に表現するのではなく、男女の関係に置き換えて、面白おかしく、華やかに、歌もバックに取り込んでまとめられている今回の作品。

 いつも感心させられるのは、作者は何の気負いもなくサラサラと,しかも楽しんでいるようにも見えるが、一編の作品を書かれている。
 それは職人芸のように巧みで、あまり苦しまずにどんどん筆が進む天才肌のタイプのようだ。

 舞台美術良し、若い演技者も臆するところがなくのびのびとした演技は、有無を言わさず観客を納得させてしまう。
 それから川村さんは指導者としても優れているようで、若い人達をひとつに集中させて舞台を創り上げているが、いい雰囲気を醸し出している。。

 次回はどんな作品だろうと、一作毎に楽しみだ。
 
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2019年01月04日

Nkayubi-9 公演を観て


   「 象徴の詩人; My Dad was God 」   作・演出  神田真直

 日時  2018年11月23日(金)〜25日(日)  会場  人間座スタジオ

 舞台は、強いインパクトで、観客を捉える。
 舞台美術しかり、演技者の演技しかり、作品の内容しかり.......。
 
 「朕は神なり」と宣うた昭和の世は去り、「朕は人間なり」のその平成の時も去ろうとする現在、次の<時代>を受け入れる準備のために、振り返らねばならない過去。

 「探しているんだ! 亡くしたんじゃない! どこかにあるんだ!」等々......いろいろな意味が含まれている言葉、言葉が、飛び出してきて、心に響く。
 でもそれは、はっきりくっきりしたイメージがあるものではなく、ただ重苦しい憂慮だけが心に残る.....ポエムのように。

 作・演出の神田真直さんは、沢山の書物の中から文章を引き出してきて引用し、積み重ねながら作品の内容を深めていく。
 それが日常会話としてではなく、人生哲学の意味合いが濃い問答となって語られていて、難しくて分かり難い。
 どれだけの観客がこれを理解し、称賛するだろうかと思えるが、こんなにも切々と時代を憂う自分の思いを
述べる若いフレッシュな思考に、感心し、感動するばかりだ。
 それにしても演技者は、この一筋縄では理解できない台本を、よく覚えたものと驚いた。

 人に受け入れられないのは辛いものだということは、誰でも経験して行くことだが、それを跳ね返しながらやり続けて行くことこそ、力になるのではないかと思います。頑張ってください。

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2018年11月26日

劇団ACT 秋の卒団公演 を観て


     『 百万年ピクニック 』  作  成井豊  成井稔

                 演出  冷やし中華始めました


    日時  2018.11.17(土) 18(日)  会場  人間座スタジオ

 ” 紙芝居屋が街角で紙芝居を始める。観客は、西風という名の少年一人。紙芝居のタイトルは「百万年のピクニック」。”(あらすじより)

 成井豊の作品としては、少し年齢層の低い少年少女向きの作品のようだが、いつもの難しい作品に取り組んでいるACTさんとは違って、みんな面白そうに生き生きと役を演じていた。
 この作品で卒団される岩城潤さんは、昨年の舞台『ドグラ・マグラ』では大変印象深く、良い演技でよく覚えている。
 今回は次の世代の部員達に支えられながら、楽しそうに舞台に立ちながら一人卒団されて行かれる姿は、年月の去る速さを感じる。
 こうして先輩達が去って行っても、後を託されたメンバー達がまた逞しい、これからの作品が楽しみだ。

 『オズの魔法使い』に似たような作品だなと思ったりしながら観ていたが、とにかくやる側も観る側にとっても楽しい舞台だった。

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