2018年06月25日

アトリエ劇研シニア劇団 銀宴第5回公演 を観て

 
      『 雨 が 上 が れ ば 』
   
                 脚本・演出  田辺 剛(下鴨車窓)


   日時  2018年6月23日(土)/24日(日)  会場  人間座スタジオ

 チエホフの短編小説を3本並べたような.......。
 「小さな町のある喫茶店。テーブルごとに人生があり物語がある。
     梅雨にしては強い雨と雷が鳴るなかで描かれるひとときの人間スケッチ。」と前説にあるが。

 脚本・演出の田辺 剛さんは、第一番に目に飛び込んでくる舞台美術からして、観客の心を奪ってしまうようなセンスの良さで、全体的には都会的な洒落た素敵な舞台を創り出していた。

 店内の三テーブルに腰かけた人達は、この小さな町の住人か、または過っての住人であったか......。
 たまたま雨の日にこの店に居合わせたけれど、だからと言って深く繋がる訳でもなく、それぞれの今を生きる姿が浮かび上がってくるという優しくて美しい作品だが、......。

 演じる人が表面的、一面的に役をなぞるだけではなく、もう少し「人間」臭さというか、「役を生きる」ことができれば、作品にも深みが増して、もっと見応えのある作品になったのではないかと思えた。

 しかし、シニア劇団の人達だけで、これほどソツなく澱みなく、洒落た舞台を創り出せる田辺 剛さんの才能と指導力に、頭が下がり喝采を送ります。

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2018年06月18日

劇団紫2018年度新入生顔見せ公演 を観て


    『 ある嵐の日に断崖絶壁の孤島の屋敷で過ごした 
                     なんでもない平和な一日 』


            脚本 / 演出  世界一位

        日時  6月17日(日)    場所  人間座スタジオ

 「楽しそうだ。
  生き生きしている。
  みんな演劇が好きなんだ。
  一心に劇の世界に溶け込んで、劇行為を追いかけている」...舞台は学生劇団の純真さを感じさせる。

 しかし、作品の内容はよく分からない......
 人殺しの刀の精が人間に乗り移り、次々と舞う鮮血。
 とある大学の天体サークルの友達の死が連鎖する。が、最後は彼らは生きているのだ。
 ......というような破天荒な筋書きで、遊びが中心の舞台。
 新入生をはじめ、先輩達も上手なメンバーを揃えて、エンターテイメントな舞台で楽しめる。

 しかし、欲を言えば、30分と言わずにもう少し長さもあり、内容もしっかりと詰まっている作品をやることも出来るのではないか。
 取っつきにくい難しそうな作品を苦しみながら取り組むのも、一層演技術を習得出来ることにもなると思うのだが、どうでしょうか。 益々の奮闘を願っています。

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2018年06月12日

空降る飴玉社×勝手にユニットBOYCOTT 公演を観て


     『 スパゲティ・ヒーロー 』
          
     原案: ODA    脚本・演出:  加藤 薫 & 坂口弘樹


    DATE&PLACE  2018.6.8FRI.9SAT.10SUN  人間座スタジオ

 ”飴玉社”の加藤 薫さんの作品は、人間座スタジオでもよく公演されるので観劇、何時も観終わってほっとする心温まる良い作品だ。
 加藤さんの言葉によれば、「日常の延長線上にあるドラマを、登場人物の繊細な会話と感情表現により”人生の切り抜き”として表現する」とある。これは大方の観客には解りやすい。

 ところが今回は、”BOYCOTT”の坂口弘樹さんとの共同執筆・演出という思い切った試みだ。

 坂口弘樹さんはスケールの大きい人物で、彼の作品は、なかなか捉え切れない難しさ、奥深さがあり、人間の心の闇に探りを入れる特異な才能は、誰の追随をも許さない凄さを感じる。

 さて今回の作品の内容は、「何をやっても冴えない男子高校生が、同じクラスの女子高校生に片想いをするという青春物語」......この在り来りの話が、どのような締めくくり方になっているか.....
 事故に遭って、高校の時以来ずっと何年も植物人間になって寝たきり状態になってしまった彼女に、自分の心が届くことを信じて語りかけて行く.......男はそのようになって行くのだ。

 加藤さんと坂口さんのコラボは、さすがに見応えのある作品を創り上げている。
 それから、それぞれの劇団は何時もにない発見や飛躍があったのではないだろうか。
 演出面でも次々と繰り出されるアイデアで、舞台転換にもスピードがあり、観ていて楽しかった。

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