2017年11月24日

劇団FAX第5回オムニバス公演 を観て


        『 寒い冬が来る 』  作・演出 玉井秀和

     1作品 『 人は生きる、それでもなお 』
     2作品 『 さむい夜にはおでんが食べたい 』


    日時  11月18日(土)〜19日(日)   会場  人間座スタジオ

 何だかほっとするような、身近な感じのする短編が2本並べられた舞台であった。
 前回観せてもらった玉井秀和さんの作品、『贋作 蟹工船』とはガラリと様変わりしていて、このような作品も書かれるのかとびっくり。
 作品の内容は、市井の庶民の生活の一部を切り取って来て、テーマを「冬」に絞って、二本の短編をオムニバス公演として並べているが、1作目の、ごみ溜めのような路地裏で、煙草を吸っている二人の男の姿や、2作目の、掘り炬燵でおでんを食べる若い夫婦の情景の中に、「寒い冬」を身を寄せ合う人々の姿が、温かい。

 劇団FAXさんが掲げるモットーは、「日々の生活の中にある些細な美しさから世界を眺める」だそうだ。

 最近、京都の劇団でも、一公演で2千人もの観客を集めている所もあるが、それはそれで立派だなと思うのだが、また玉井さん達が今やってのけられている、毎月のようにあちこちで小公演を打ち続けながら、人々の心に浸透して行く作品を積み重ね行かれる道も、素晴らしいと思う。
 益々の活躍を期待しています。33535 (1).jpg33534.jpg
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2017年11月18日

劇団ACT 秋の卒団公演 を観て


       『 ドグラ・マグラ 』  原作: 夢野久作
                     脚本:演出 小見川風弥


         日時 11月11日(土)〜12日(日)  会場 人間座スタジオ

 「お父さん、お母さん、私は何故この世に生まれて来たのか」との青年の叫びが、ぐっと胸に来て涙が出た。
 ただそれだけで、この作品を理解したことにはならないが、昨今、一人の男が何人もの人間を殺害する事件が報道されているが、そんな行動をとる人間の精神が解せないと世間の人は言っている、まさに今に通じる問題だ。

 この作品は、余りにも有名な、夢野久作の「ドグラ・マグラ」−−− 九州大学精神病科、実験材料である一人の青年の、「狂人の解放治療」という話から始まる内容−−− 一度は読もうとしたものの、中途で投げ出してしまった程の、大変な大作で、この原作を下に脚色して舞台に掛けようという大胆な試みは、驚くばかりだ。
 でも、全部員は、相当な覚悟を持って取り組んでいて、台本を持つリーディング様式を取りながらも、殆どのセリフを覚えているという、緊迫感のある良い舞台であった。
 新しい思考で、未知なるものに挑戦して行く若い人達、そこにACTさんの姿勢が感じ取れて、素晴らしい。

 3回生で部を卒団されて行く面々の、何本か観せてもらったその舞台が思い出させて来て、また涙する。

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2017年11月11日

KYOTO EXPERIMENT 2017 フリンジ「オープンエントリー作品」参加の3作品を観て


   16 | 京都音楽劇団 『 占い探偵団おゴタ探偵事務所 』
           作:森川綾子 演出:山田かつろう
          日時  10月22日(日)

  24 | 居留守 『 鳥を吐き出す 』 演出 山崎恭子|
          日時  10月27日(金)〜29日(日) 

  31 | 勝手にユニット BOYCOTT  
       『 ジ・エンド オブ ザ クロックタワー 』 
           作・演出  坂口弘樹
          日時  11月4日(土)〜5日(日)


 2017.10.02〜11.05の間 京都府下で発表される31作品。
 拠点も作品ジャンルの境界も超えたさまざまなアーティストによるラインナップ。
 その中の3作品が、今年も人間座スタジオで公演された。

 16|「会場も巻き込み!一緒にドタバタ謎解き事件、犬?あんパン?で事件は解決できるのか?」
                                     (作品コメント)

 音楽劇団だからミュージカルと思いきや、会話劇で、若い人達が懸命に取り組んでいる様子は好感が持てるのだが、中身が20分ではあっけない感がした。人間座スタジオでは初めてのことだ。
 それから舞台に生きた犬が2匹登場したり、また公演後その犬との交流会というのもあって、観客はあんパンをもらえたりで、普段の劇場の雰囲気ではない、お母さんと子供たちの楽し気な姿がそこにはあった。
が、夜の部は残念ながら台風のため取りやめとなった。
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 24|「何度となく使い古された言葉を破壊せよ。その中に壊れていない何かを探し求めるのだ」
                                    (作品コメント)

 山崎恭子さんはスケールの大きい人だとつくづく実感する舞台だ。
 凡人では考えつかない発想で、舞台を創造して行く。(前回の作品もそうだった。)
 その不思議な魅力は、内容の難解さにも拘わらず、観客を惹きつけて離さない。
 「クレオールの民話」「コロンブス航海誌」「ネギをうえた人」「インディアスの破壊についての簡潔な報告」の参照テクストを下に、世界を見詰め直そうとの思いが漠然とではあるが伝わってくる。
 こうした考えを舞台に織り成そうとしている女性、山崎恭子さんに拍手を贈る。

 31 |「”時計塔のある街”とエレクトロをバックに繰り広げられる、不可思議なエンターテイメント。」
                                        (作品コメント)

 若い人達が、舞台狭しと、いっぱいにくるくる暴れまわり、歌ありダンスあり、童話の世界ありの、
 スリルもサスペンスもある、若さ溢れる楽しいエンターテイメントの舞台だった。
    
 作品の内容は、一人の自称作家が引き起こす、古本屋で見つけた絵本の持ち主探し。
 作・演出の坂口弘樹さんの文学青年らしさが感じられる、好感の持てる作品だ。
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