2018年11月16日

努力クラブ第12回公演を観て


      『 少 年 少 女 』    作・演出 合 田団地

   日時  2018年11月2日(金)〜4日(日)  会場  人間座スタジオ

 暗い川の土手に、少年と少女(高校生)が並んで座って、流れの音を聞いている。
 ”寒くない?” ”上着貸してあげようか?” ポツポツと交わされる会話と、そして沈黙。
 ”怒られたりしないの?” ”学校楽しい” 日常生活に纏わる会話。
 これと言って取り立てての話はなく、内容が詰まって物語が生まれることもなく、......
 会話だけに終わっている。
 そして最後は、夜明けになって、二人は別々に帰って行くのだ。

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 これは何だろうと思った。
 そこに少年少女がいた。ポツンポツンと喋っていた。何も起こらなかった。音楽もなかった。
 これは作者の合田団地さんが、これまでの作風とは違って、大胆な試みを施しているようだ。
 観客はどう思うのだろうか。
 正直言って、退屈になって来る。
 こんな時、映画だったら、空とか星とか、川の流れとかその音とか、風に吹かれる草とかの絵を映し出して来るのだろうが、演劇は”言葉”でもって表現されていくのが中心だから、その言葉の意味するものから、その世界を理解しなければならない。

 この作品は突き詰めれば、そこに生きている人間を、在りのままに捉えて描こうとしているようだが、
 同じ会話でもって描かれている岸田國士の作品などとどこが違うのだろうか、と考え込んでしまう。

 それから、この作品は少女が中心に描かれているが、少年の周囲(その人間の人生)があまり見えて来ないように思った。

 新しい作品を次々に生み出してくる合田さんに、追いつけないでいる自分を知る思いだ。
 益々力を蓄え、本物になって行く”合田団地”に拍手を送ります。

 
 


 
 
posted by 人間座 at 22:06| Comment(0) | 日記

2018年10月24日

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2018 フリンジ「オープンエントリー作」 を観て


     サ − カ ス チ ッ ク

       出演      Asami   サカトモコ   石蹴 鐘

         日時  2018.10.16 Tue
                      会場   人間座スタジオ


 サーカスチックとはどんな集団か?
 前説には「海外にてサーカストレーニングを積み、日本から現代サーカスを発信するアーティストで結成される、空中ブランコ、シルク、コードリースなどの空中演舞”エアリアル”に特化した新しい表現を追求するパフォーマー集団。」とある。
 初めてこの集団のパフォーマンスを見た時はただただびっくり、こんなことの出来る集団が京都に現れたのだと、周囲に吹聴して回ったものだった。

 ところが今回は少し趣きが変えられていて、7作品中、演劇的要素が加味されるマイムだけの作品が1編挿入されている。
 これは、サーカスでは無くてはならない道化師(ピエロ)の存在を思わせるものだった。
 また最後の作品は、ただ空中演舞だけに終わらず、そこに心象を加えて表現していた。

 演劇は台本があるので助かるが、公演ごとに新しい作品を生み出していくのは大変だろうと思われるが、Asamiさん初め、素敵なメンバー達は、これからどんどんフアンを増やして人気を博して行くことだろう。

 ご活躍を祈念いたします。

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posted by 人間座 at 10:24| Comment(0) | 日記

2018年10月23日

劇団紙ひこうき 第1回公演 を観て


      『 遠くに街がみえる 』  
               脚本・演出  高杉征司(サファリ・P)


  日時  2018年10月13日(土)〜14日(日)  会場  人間座スタジオ

 近頃のシニア劇団には目を見張るばかりだ。
 どこの劇団も競って良い作品を発表されていて、頭が下がる。

 今回の”紙ひこうき”さんも、指導されている人が優れている所以だろうが、定期的に積み重ねられている勉強と訓練が見て取れて、舞台全体は隅々まで目が行き届き、しっかりとした見応えのある良い舞台になっていた。
 一言。
 還暦の同窓会で、思い出の学生寮に集まった女性4人が、そこで一夜を明かすうち、18歳当時の寮生活のエピソードのいくつか、恋愛問題で悩む者や、家庭問題から寮を去って行く者等々、また自分が何故この学生寮に入りたかったのかの記憶が甦って行くストーリー。

 舞台では、回想シーンに若い俳優が18歳の寮生として登場して来るのだが、力強くて、テンポも速く、劇的緊張感も増して大変良かった。
 と思う反面、還暦の4人が、過去に戻って18歳を演じる下りは、若い俳優とのギャップが大きくて、すなわち、生徒の親が出て来たように見えてしまうのだが.........
 これも意図されたものかも知れないが、「失ったもの」それは「若さ」 を感じさせていた。

 ”思い出の学生寮も間もなく取り壊される”という所でこの作品は終わっている。
 何だかチェーホフを思わせるような、人生を考えさせられる心温まる作品を目指されているような作者で演出の高杉征司さんに、拍手を送ります。

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posted by 人間座 at 16:07| Comment(0) | 日記