『The Railway 』 人生は列車の旅に似ている。
構成・演出 細見佳代
日時 2018年9月28日(金)〜29日(日) 会場 人間座スタジオ
ほんとうに面白かった。
見た目にも全然違う、キャラクターの際立った二人の男が、山道をリアカーを引いて烏鯉を運んで行くシーンは、圧巻だった。
それに加えて舞台美術も優れていて、これが一枚の絵となり、このアイデアはなかなか思いつかないぞと感心もした。
構成・演出の細見佳代さんの確かな創造力に拍手を送ります。
また平均年齢64歳だと言う女性陣の強かさにも感心。
いくつもの役に早変わりしながら、道具を移動させながら、セリフや歌を忘れずに、劇のストーリーを進行させて行く見事さ。
以前観せてもらった時もびっくりしたのだが、よく練習を積まれた演技は、列車のシーンなどはマスゲームのようにも見えた。
作品は池端俊策氏の脚本『烏鯉』を元に改作されたそうだが、本来の意図された内容は、二人の男の生き様を中心に描かれていていたのではなかったのかと推測する。(『烏鯉』を読んでいない)
前説にもある通り、「安定したエリートコースを歩んでいた男が、幼友達との再会を機に人生を見つめ直す物語」であって、........
「人生の道のりを列車の旅になぞらえて表現します」という所は腑に落ちない、........
列車のシーンは、主人公の丸山の日常生活の一コマに過ぎないのではなかったか、......
改作は、劇団員の物語にしようとしたところに無理があったのではないか、......等々考えてみた。
何はともあれ、観て良かったと思える良い舞台であった。

