2017年08月22日

カイテイ舎第3回公演 を観て


      『 小さなエイヨルフ 』
              
          作 ヘンリック・イプセン   演出 松本徹


        日時  2017年8月18日(金)〜20日(日)  会場  人間座スタジオ

 演出家松本徹氏の、細部にまで目の行き届いた、若い人達が中心ではあるが一定水準の保たれた、格調のある良い舞台だった。

 余りにも有名なイプセンの作品は、図書館で読んでもらうことにして、感じた事をひとつ。

 イプセンは、解り易いようで分かり難いところがあるのは何故だろうと思うのだが.....
 西洋人との違いと言うか.....
 人物はそれぞれに強い自我を持つて登場し、その自我と自我とがぶつかり合い、観念と観念がぶつかり合って、ひとつの結論に到達するのだが、その論理的過程が難解なのだろうか.....

 そこで思うに、アルフレットとリータを中心に出演者は皆熱演で好感が持てるのだが、.....
 俳優は演じる時に、自分の身体を通して役を理解しようするあまり、自分の解る範囲で泣いて見せたり、怒って見せたりして、観客に解らせようと努力しているようだが、そうすればするだけ、ストーリーの底に横たわるイプセンの大きい観念が置き去りにされ、見えなくなってしまう。

 解からなければそのまま、言葉を言葉として、感情抜きで発すれば、観客は客観的に受け止め、理解することができたかも知れない。
 と思うほど、イプセンの存在は大きく、現代にまで脈々と生き続けていると思った。

 演出家松本徹氏を中心に、伊藤彩里という素晴らしい女優さんを擁するカイテイ舎の今後の活躍を期待しています。

            P1030044.JPG
posted by 人間座 at 02:14| Comment(0) | 日記

2017年08月01日

劇団つちの娘 初遭遇公演 を観て


      『 農 業 少 女 』    

              作・野田秀樹   演出・牧野知泉

       日時  7月29日(土)〜30日(日)    会場  人間座スタジオ

 百子と言う15歳の田舎娘が、東京に憧れ、家出して、その都会で、都罪と言う男に出逢い、彼の描く次々の夢に引きずられ、最後は都罪の主催する「都市農業の会」が、有機栽培で「農業少女」と言う米を作るとの夢を植え付けられ、彼女はその夢を実現させようとするのだが.....

 作家野田秀樹氏の作品は、現代日本の社会の恥部を見つめながら、それを笑い飛ばそうとしているような.....しかし何だか物悲しくて、切なくて、またリリカルで、少々難解なところもあって.....若い人達はこの魅力に惹きつけられるのだろう。
 出演者4名が、次々に役柄を変え、移り変わる場所に応じて、懸命にテンポよくストーリーを展開させようとしている真摯な姿が見て取れる、これは若い人達だからこそできる、爽やかで心に残る良い舞台だった。
 舞台美術も面白かった。
 
 演出の牧野知泉さんは、主人公の百子もやってのけられる能力のある人のようだが、これからもきっと人を驚かせる作品を創って行かれる事でしょう。これからの活躍を期待しています。

              P1030041.JPG
 
posted by 人間座 at 21:53| Comment(0) | 日記