2017年06月29日

劇団紫第72回定期公演 を観て


    『 カ レ ラ の ウ タ 』
                脚本・演出  桜咲

        日時 6月24日(土)〜25日(日)     会場 人間座スタジオ

 今回の舞台で目についたのは、新入部員の個性豊かな逸材が、揃っていることだ。
そして、彼らが初めての舞台だとは言え、多くの部分を支えていて頼もしい。これからもきっと力強い、面白い舞台を観せてくれるに違いない。

 さて、作品の内容についてだが、仮想の世界を借りて生き様を描こうとしているようだが、時間と空間を飛び越えてプロットが組み立てられていて、ストーリーを追い難いところがある。
 異物(悪魔や天使)と人間との交わりにより生まれた半端者・捨て子のマークリーとフィーン、その二人の間に生まれたアウル、この三人にまつわる話だが.......
 村には度々その名をエントライル(臓物という意味)と呼ばれる、殺人や虐殺で人類の破滅を目論む組織が現れた。
 マークリーはその組織と戦い、その首領を追い詰めたのに、何故か姿を消してしまう。
 アウルはトーチ(マークリーの隣人)に育てられるのだが、英雄と言われていた父親が、裏切り者と言われ、大悪党の息子にされてしまう.....英雄に憧れ「認められたい、特別になりたい」と願っているのに。
 そして、母フィーンにやっと会えて、エントライルの首領が彼女であったことをアウルは知るのだ。
 マークリーはフィーンを愛していたがために、「わたしを殺して英雄になれ」という彼女の言葉を無視して去ってしまったのだ
 
 それにしてもフィーンがよく解らないのは何故か?
何故エントライルになったのか、セリフの中には、「虐げられた者の復讐」のような言葉があるが、声も小さくて聞き取り難く、弱々しい。
 綺麗にまとめ上げるのではなく、可愛さや優しさだけが強調されるのではなく、もっと腹の底からの叫びが演技に出てくる必要があったと思ったが.....舞台全体から受ける印象は、誠実な姿勢がかんじられ、好感が持てた。

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2017年06月19日

何色演劇部 つながり公演 を観て


       『 トモダチごっこ 』    脚本・演出   たかつかな

          6月16日(金)ー18日(日)     人間座スタジオ

 面白いと思った。
 出演者がみんな自然体で、素直な等身大の演技は、舞台の中に抵抗なく入っていけて見やすかったし、ほんの間近かな所にも、こう言う光景はあると感じさせられた。
 それに、脚本・演出のたかつかなさんの、センスの良い斬新なデザインが、舞台美術や衣裳やあちこちに現れ、それも舞台を引き締めていたように思う。
 たかつかなさんは、「何色何番」で活躍されている上に、同じところで安住するのではなく、また新しい仲間達と新鮮な創造活動を始めてられている様子に感心する。
これからもどんな作品を見せてくれるのか楽しみだ。

 作品の内容は、母子家庭の「良い子」の高校生だった優子は、何故か不登校になり、一日中自分の部屋に閉じこもり、パソコンだけを相手に過ごしている。
母親は生活のために一日中働かねばならず、親子の間に会話はない。
 そんな優子を、クラスメートや担任の先生、またネットで知り合った友人が訪ねて来て、最後はほとんど話したこともなかったクラスメートともトモダチになり、学校へも行き出すという温かい作品だ。

 さて見終わって考えると、目新しいものはなかったような、.....現実の現象の上辺だけが描かれているような感じがするのは何故か。
優子の分身の「影ユウコ」を出して来ているのだが、「自分が空っぽな気がする」と優子が考えるところの書き込みが不十分ではないのかなと思ったりした。

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2017年06月08日

劇団ZTON新人公演05 を観て


      『 しぐれ _shigure_ 』  作・演出 河瀬仁誌

            2017・6・3(土)〜4(日)  @ 人間座スタジオ

 今回は、内側から、即ちZTONさんの舞台に立つというところから、この公演を観せてもらうことになった。
 それというのも不思議な縁で、10年前にこの作品『しぐれーshigureー』は、人間座スタジオで公演されていて、そしてこの小屋での公演も最後になるだろう時に、再びの上演となった。

 今も思い出すが、初めてZTONさんを知った時、「ものすごい!」若手劇団が京都に出現したと思ったのだが、.....それから10年、河瀬仁誌さんの指導の下、劇団もすっかり成長し、今や大阪、東京公演と忙しくしてられる様子だ。
 そのエネルギーに触れながら、「近頃」の演劇とは?と考え、これからの演劇を考えてみたいと思った。

 初演の時のストーリーは、全然覚えていないというか、全然解らなかったが、殺陣をはじめ衣裳など、人目を引く奇抜さと斬新さが印象に残っている。
 今回は改稿もされ、分りやすい話になっているので、主人公しのぶの生き様に沿って行くと感動を覚えるのだが.....やはり新人ばかりではなく、数名の劇団員の出演が舞台を引き締め、良く分かる作品にしているのではないだろうか。舞台は優れた演技者が必要だ。
 
 今回、劇団の代表者でもあり、劇作家、演出家の河瀬仁誌さんと創造の場で一緒することが出来、彼がエンターテイメントだけではない、幅広く、「言葉」に重きをおいた新劇の技術や、リアリズム演技への関心と理解を持ってられる一面を知った。そして集団を一つにまとめて行かれる力強さとその自信に満ちた様子に、ますますの活躍を期待しています。

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