2016年11月27日

物忌み団 第6回公演を観て


   らん・らら・るん 』   作:垣内琳子
   演出:垣内琳子  キャッスル
ランド千晶

      11.25(fri)右矢印111.27(sun)     於・人間座スタジオ

 戦争を知らない若者が、何故終戦直後の社会に生きる人物を登場させ、「愛」について語らせようとしたのだろうか。

「 戦災孤児の少女ジルバは、腹を空かせて町をさまよっていたところを、日の丸という男に拾われ、彼の劇場オペラで大女優を夢見て働くことになる。が、そこは血にまみれた見世物小屋だった。
 それでも少女ジルバは、日の丸の理想としていた女のようになろうと懸命に彼に縋りつき離れようとしない。
 そして最後は「おじしゃん」と呼び続ける少女ジルバを男は殺す。」

 それで二人は結ばれたと言うのだろうか。
 (作者は、閉塞し抑圧されたぎりぎりの状況に置かれることで、「純真の愛」が芽生えると言っているのだろうか。)
 現在は、何もかもが自由の名の下、曖昧でつかみどころがなく、確かなものがない。
 「死でもって、貫き通さねばならなかった愛」とは、何だろうか。
 近松の心中のように、己を貫き通すことで、封建の社会にノンを突き付けているのだろうか、等々考える。

 作者の垣内琳子さんは、前作もそうだったが、ゴリゴリと書いて書いて、.....3時間以上の大作には感服してしまう。
 今回の作品の内容は、時代背景を重きに置くと言うより、「美」と言う芸術の世界に迫ろうとしているようでもあり、その上色んなものが詰め込んであって、演じる俳優さん達もとっかえひっかえ歌や早変わりで大変だ。でもジルバ役の江藤美南海さんの魅力を中心に、観客はぐんぐん劇の世界に引き込まれて行く。

 若い演劇人のパワー、演劇に対する愛着心と集中力、熱のこもった舞台は感動的で素晴らしかった。
 また青春時代が垣間見えて、美しくもあった。
 これからも、 誰にも創造できない作品を、また観せてください。

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2016年11月22日

劇団ACT 秋の卒団公演 を観て


     『 この自遊 』    
         脚本・演出  わっしょい、 

2016 11.19【Sat】−20【Sun】  場所  人間座スタジオ

 何もかも振り払い振捨て、思いっ切り自由に舞台で遊んでみたい。
 誰かに何を言われても、自分達が楽しい、面白いと思えるものをやるんだ。
 と、今回の舞台は、みんな伸び伸びと、それぞれの役に嵌り込み、楽しんでいた。
 
 話しの内容は、おネエ系のママが営むバー”雲母”には、おネエ店員の”海”と、最近雇われた無口なボーイがいて、そこへ常連客の、バイセクシャルの”祐樹”に男運のない”理子”、それに”祐樹”の彼女やママの彼氏が出入りする。バーの日常風景が描かれて行く。

 作・演出のわっしょいさんは、「終始ふざけたような真面目なようなつかみどころがはっきりしない劇ですが、一つのテーマとして性的マイノリティーというものをテーマにしています。」と言っている。
 やはり、”遊びだけではどうかな”と考えている所に、”悪ふざけ”が入り込まず、観ている方も素直にそのマイノリティーの世界に入って行け、そして面白いと思えた。

 卒団公演を観ると、親しくなった部員さん達と別れる寂しさと、これからの活躍を観られない残念さを覚える。
 でもまた先輩達の後を受け継ぐ部員達もしっかりと存在していて、頼もしい。
 そしてまた新しいメンバーの作品が生まれて行くのだ。楽しみにしています。

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2016年11月20日

N₂ Tab.1- 書き言葉と話し言葉の物性を表在化する試み を観て


   『 水平と婉曲 』   作・演出 杉本奈月 
京都府文化力チャレンジ事業**KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2016AUTUMNフリンジ「オープンエントリー作品」

     2016年11月9日(水)〜11月13日(日)     人間座スタジオ

 不思議な舞台だった。 何だか分からないままに、それでも魅せられて観ているのだった。
 言葉とは何か? 意味をなすものではないのか?
 ところがここでは、音としてしか存在していない。それがまた面白いときている。
 これは演出の感性が優れているのだろう。
 舞台空間の使い方も、劇場に合わせて考え抜かれ、観客を劇の世界に惹きつける。
 それから、キャスト達も「言葉」を巧みに操っていた。

 この作品の「脚本」はどんなものか読んでみたが、本だけでは面白さが読み取れない。
 公演後のアフタートークで「意味がよく分からない。ただ俳優の哀しさみたいなものはよく分かった」との感想があったが、思うに、この作品は「言葉遊び」の世界に徹底されてはどうでしょう。
 何かを言わなければと思うあまり、中途半端な地点に立って、作者は書かれたのかなと思ったりしています。
何はともあれ、新しい演劇は杉本奈月さんのような人が、生み出して行くのだろうと、大いに期待しています。

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