2016年09月27日

居留守 公演を観て

 
「 運良く陸地を見つけ、上陸する際の注意点。」
         原作 ヴァージニア.ウルフ作
              「波」 「書かれなかった小説」 川本静子訳
              「灯台へ」           御輿哲也訳
        
          演出 山崎恭子

    日時 2016年9月23日(金)〜25日(日)    会場 人間座スタジオ

 昔『ヴァージニア.ウルフなんかこわくない』という、エドワード.オールビーの戯曲を読んだことがある。
一度演じてみたいと思ったかな.....けど、そのヴァージニア.ウルフと言う作家の小説は読んだことがない。
だから今回の作品が、ウルフの3作品をそのまま変えないで舞台化されたのかどうかは分からないが、演出の山崎恭子さんの手にかかると、その舞台は衝撃を受けるものだった。
 4名の女優も、しっかりと演劇の基礎技術を身につけていて、巧みに言葉を操ることができ、稽古もよく積んであって寸分の隙間もない。
 そして、ストーリーというものを壊して言葉が語られていくのだが、その意味するものは何かは漠然としていながら、それでもなお観客は言葉を追いかけているという.....そしてビデオカメラを使って映像を流したりしながら、1時間はあっと言う間に過ぎている。
 これは本当に驚きで、凡庸な人間には思いつかない斬新な発想で、山崎恭子さんの才能をうかがわせる良い舞台だった。これからの活躍を期待しています。
 
山崎恭子さんの文章から。
 「居留守は、過去何回か小説をテクストに作品を上演してきました。稽古が停滞するたびに、なぜこんな厄介な条件を選んでしまったのか、と自分で思うのですが、それにはやっぱり理由があって、言葉のもつ、もっというと物語のもつ強制力から逃れたいという衝動があるからだと思います。そして、そのことによって言葉の力をひとまず信じてみようと思います。」

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2016年09月20日

空降る飴玉社 の公演を観て

 
   『 レターツリーが紡ぐ時を、待ち侘びて 』
            脚本・演出  加藤美由
 
     日程 2016年9月17日(土)〜18日(日)   会場 人間座スタジオ

 舞台には白いおおきな一本の木。
 その下に立って主人公の「紡木透」は呟く。
 「人生とは一本の木に似ている。
      私の木は言葉の死体に埋もれ、枯れたまま季節を巡らない。
                  レターツリー、言の葉を亡くした私の木」と。

 美しくて哀しい、それでいて心惹かれる、そんな作品の世界に、しっかりと劇作家「チェーホ フ」の作品が登場してくるあたり、脚本・演出の加藤美由さんは、繊細な感性の持主で、才能を感じさせる。

 ストーリーは、「今は出版社に勤める「紡木透」は、以前は物書きになることを志し、コンクールに応募した作品も賞を取ったものの、5年前から自分の言葉を紡ぐことが出来なくなっている。
 彼女は従妹の「遠井楓」と互いに約束した夢があった。
 二人は作家「麦星洋一」の脚本を介して、8年ぶりに再会するのだが.....」

 一つの作品を生み出すことの苦しみが、作者と主人公が一体となってにじんで来るようでもあった。
また、演出も、狭いスタジオを工夫を凝らして、多場面を一つの場面の中で想定させる方法で構築していて、面白い。良い作品だったと思う。

 これからの活躍を期待しています。

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posted by 人間座 at 13:40| Comment(0) | 日記