2016年06月30日

勝手にユニットBOYCOTT#4 を観て


        『 埋葬の技法 』 
                                    

               作/演出  坂口弘樹

      日程  2016.6/25(土)〜26(日)    会場  人間座スタジオ

 前回の作品とは違ってまた新しいスタイルと劇世界を持って”勝手にユニットBOYCOTT”は、人間座スタジオへやって来た。
 その躍動感にあふれた軽やかさと、自由な発想力は、若い演劇人の特権でもあるが、やはり魅力的だ。
 
 作品の内容は、「ドライブの途中で、トンネルの落盤事故に遭った父と娘。娘は死んで父親は生き残る」というものだが.....
 その事実をリアルに再現するのではなく、以後父親は悪夢を見るようになり、不眠症に陥るという、精神面からの、心の中の葛藤を描こうとしている。が、その方法も.....
 「真暗闇の中、少女は穴の中へ入ったり出たりを繰り返す。.....少女は攪拌されるのを待っていると言う。.....鬼が、明日を迎えるために、穴のものを、攪拌していく.....」とチラシに説明があるように、何とも不思議な、幻想的な表現でもって観客の関心を引き付けて行くのだ。
 それから、もう一つの線、友人を殺害した男と、殺害された資産家の男の幽霊が登場し、いろいろに絡み合い話に複雑さを加えているが、キャスト達もそれぞれ懸命にその複雑さを追っかけていて、観客を飽きさせない。

 作/演出の坂口弘樹さんは、舞台を創造するのを楽しんでられるのだろう。
 これからも、若さで突っ走って、力の続く限り、ゴリゴリ書いて、発表して行って欲しいです。

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2016年06月23日

幻灯劇場第七回公演 を観て


        虎 と 娘

            作/演出 藤井颯太郎

        日時  6/18(土) 6/19(日)    場所  人間座スタジオ

 一言で云って、大変面白かった。
 何が? 舞台上の総ての発想が.....常識では思いつかない。
 大きな一個の四角い枠組みと、小さい一個の箱と、白い布と、それだけをいろいろに動かしながら、三人の俳優(男二人 女一人)が語って行く。

 内容については、アンケート用紙に「良い まあまあ わけわかめ さっぱりサラダ」のいずれかに印をつけることになっているが、作・演出及び出演の藤井颯太郎さんは、内容の良く分かるものなど、目指してはいないようだ。自分の感性のまま、自由奔放に筆を走らせる天才肌の人のようだ。
 しかし観客は、何故かその世界に引き込まれ、自分で想像を巡らせて行く。
「 ”虎”は”ヒットラー”にかけ、”娘”は”アンネ”にかけて行くのだろうか?」
「 失われた上半身を探し求めて行く下半身。それは残虐な大量殺戮を意味しているのだろうか?」等々。
 一度台本を読んでみたいと思った。

 演劇界に新風を吹き込もうとされている「幻灯劇場」に出会えて良かった。
 ますますの活躍を期待しています。

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posted by 人間座 at 10:38| Comment(0) | 日記

2016年06月02日

シアターリミテ第19回公演 を観て


        『 カミと蒟蒻 』     
         作・演出  今井川 静留

     2016年5月27日(金)〜29日(日)     人間座スタジオ

 作・演出の今井川静留=長谷川源太さんは、パンフレットの中でこう書いてられる。

-----「歌舞練場で兵器製造」「紙とこんにゃくの風船爆弾」「馬鹿げたこと」という記事が掲載されたのは、平成26年8月8日の朝日新聞京都版だった。ー 茨城県出身の私は、私の田舎の茨城からアメリカに向けて(その風船爆弾が)放たれていた、その事実を知った時、僕は一気に芝居「カミと蒟蒻」の構想へ思考を巡らせていった。-----

舞台は、緊迫感のある、キャスト全員が全力投球の、渾身の力がこもった見応えのあるものだった。
出演者4名で2時間もの大作を、しかも主には言葉が中心で展開されて行く作品は、台詞を覚えるだけでも大変だろうと思えた。
 作・演出に、出演もしながら、しかも一定の力量を保った舞台を創り上げて行かれるリーダーの長谷川源太さんには、頭が下がり敬意を表したい。
 
 欲を言えば、遊びの余地のないところで、問題意識ばかりが先行しているようで、起こった事実の一面だけしか出て来ていないのではないだろうか。
 例えば、主人公である幸子に、慎次郎と大津の二人の男がどう絡んで行くのか。この三人の関係が、即ち人間模様をもう少し描き込んで欲しかったし、また幸子が慎次郎と一緒に何故なって行ったのかの件もよく分からなかった。
 それから最後の五浦海岸のシーンで、車椅子生活だった幸子が、何故慎次郎の乗った車椅子を押せるのだろうか?等々些細なことも気になった。

 何はともあれ、良い作品を観せてもらってありがとう。これからも期待しています。

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