2018年09月30日

アトリエ劇研シニア劇団空いろ 第3回公演 を観て

  
       『The Railway 』  人生は列車の旅に似ている。
              構成・演出   細見佳代


    日時  2018年9月28日(金)〜29日(日)  会場  人間座スタジオ

 ほんとうに面白かった。
 見た目にも全然違う、キャラクターの際立った二人の男が、山道をリアカーを引いて烏鯉を運んで行くシーンは、圧巻だった。
 それに加えて舞台美術も優れていて、これが一枚の絵となり、このアイデアはなかなか思いつかないぞと感心もした。
 構成・演出の細見佳代さんの確かな創造力に拍手を送ります。
 
 また平均年齢64歳だと言う女性陣の強かさにも感心。
 いくつもの役に早変わりしながら、道具を移動させながら、セリフや歌を忘れずに、劇のストーリーを進行させて行く見事さ。
 以前観せてもらった時もびっくりしたのだが、よく練習を積まれた演技は、列車のシーンなどはマスゲームのようにも見えた。

 作品は池端俊策氏の脚本『烏鯉』を元に改作されたそうだが、本来の意図された内容は、二人の男の生き様を中心に描かれていていたのではなかったのかと推測する。(『烏鯉』を読んでいない)

 前説にもある通り、「安定したエリートコースを歩んでいた男が、幼友達との再会を機に人生を見つめ直す物語」であって、........
 「人生の道のりを列車の旅になぞらえて表現します」という所は腑に落ちない、........
 列車のシーンは、主人公の丸山の日常生活の一コマに過ぎないのではなかったか、......
 改作は、劇団員の物語にしようとしたところに無理があったのではないか、......等々考えてみた。

 何はともあれ、観て良かったと思える良い舞台であった。

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2018年09月24日

劇団つちの娘十五夜公演 を観て


     贋作『 ライ麦畑でつかまえて 』
 
         原作「ライ麦畑でつかまえて」J・D・サリンジャー
             脚本・演出  武士岡大吉 


    日時 2018年9月22日(土)〜23日(日)  会場 人間座スタジオ

 始まる前から、シーンと静まり返ったスタジオ内の空気。
 それは、舞台美術が何かを物語っていて、観客はこれから行われる芝居に、期待で胸を膨らませていたのに違いない。
 ススキの咲き乱れる荒地(大麦畑のようにも見える)を表してか、細く切った布が壁面いっぱいに垂れ下がっている。そしてその左右を白布が占めていた。
 虫が鳴いている。
 その中で、美しくて悲しい物語が展開されるのだが、これは愛の物語なのだろうか。

 観劇後も考えている、あれは何だったのだろうと。
 固唾を飲んで観ていたのだけれど、幻のように現れて、そして消えて行った感じがする舞台.......
 話されていることは抽象的な表現だから、分かったようでいて、漠然とした理解しかできないのだけれど、心が震え、舞台に釘付けになっていた。
 
 若い人達は、こんな美しくて輝いている作品を創る力があるんだと、頼もしくもあった。
 出演者もそれぞれみんな良かったし、作品に対して意気込みが違っていた。
 この幻想的な作品は、「私を捕まえて」と言うセリフと一緒に荒地で遊ぶ兄と妹の姿となり、懐中電灯で信号を送る最後の父と母の姿となり、等々、何時までも忘れられないものとなった。

 この舞台に対しての問いも解説も批評も必要ではないように思えて来た。
 その創造の場に居合わせただけで、得るものがあったのだから。

 素晴らしい作品を観せてもらってありがとうございました。。

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2018年09月23日

空降る飴玉社のreシアター を観て


       『 ランプアイの唄 〜from summer to from spring〜 』
    
               脚本・演出 : 加藤 薫   


  日時  2018年 9月14日(金)〜16日(日)  会場  人間座スタジオ   

 「 今作は、滋賀県の琵琶湖に浮かぶ有人島・沖島をモデルにした縹島で暮らす、小学校時代のクラスメイトと、その担任の先生を中心とした人間ドラマで、それぞれの登場人物の歩みを近くで見てくれ」と前説にあるが、数少ない島の子供らの、小学生から中学・高校・大学と成長して行く姿を、丁寧に描いている。

 これといって取り立てて、子供らの間に事件が起こるのでもなく、日々の暮らしの悩みであったり進路に対する迷いであったり、友人を好きになったりとの心の襞を、心優しい元教師が見守って行く。
 そして教師は暴風雨の日、子供を助けようとして湖に落ちて死んでしまうのだ。

 小さな島での様子が、生活が、どこまでも自然に沿って描かれていて、何とも言えない素朴な感じが伝わって来る、心温まる作品だった。
 
 舞台は、いくつかのサイコロ(箱)を組み合わせながら、いろいろに変化させ、場所を何個所も設定して行くのだが、しかもそれを出演者が同時にやっていて大変だと思うのに、手違いもなくスムースに劇は進行していた。
 しかし苦労している割には、場面が変わったようにはあまり思えなかった。

 またこの作品は、歳を経るというストーリーだから、出演者は歳と共に変化が要求されるのだが、狭い会場では観客も間近かだから、あまり変化が見て取れなかった。
 この時の流れを何かの方法で、もっとはっきり印象付けられていたら、時と共に移ろい行く子供らの姿が、はっきりしたように思うのだが、やはり全体的にはあまり変わり映えのしない印象だった。 

 何時も感心するのだが、作・演出の加藤薫さんは役もやってられて、しかも年に数回もの公演を打ち続けてられる。
 今が一番才能が輝く時なのだろうと思って、妬ましいかぎりだ。
 これからもゴリゴリ書いて発表して行ってください。応援しています。

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posted by 人間座 at 20:03| Comment(0) | 日記