2017年11月18日

劇団ACT 秋の卒団公演 を観て


       『 ドグラ・マグラ 』  原作: 夢野久作
                     脚本:演出 小見川風弥


         日時 11月11日(土)〜12日(日)  会場 人間座スタジオ

 「お父さん、お母さん、私は何故この世に生まれて来たのか」との青年の叫びが、ぐっと胸に来て涙が出た。
 ただそれだけで、この作品を理解したことにはならないが、昨今、一人の男が何人もの人間を殺害する事件が報道されているが、そんな行動をとる人間の精神が解せないと世間の人は言っている、まさに今に通じる問題だ。

 この作品は、余りにも有名な、夢野久作の「ドグラ・マグラ」−−− 九州大学精神病科、実験材料である一人の青年の、「狂人の解放治療」という話から始まる内容−−− 一度は読もうとしたものの、中途で投げ出してしまった程の、大変な大作で、この原作を下に脚色して舞台に掛けようという大胆な試みは、驚くばかりだ。
 でも、全部員は、相当な覚悟を持って取り組んでいて、台本を持つリーディング様式を取りながらも、殆どのセリフを覚えているという、緊迫感のある良い舞台であった。
 新しい思考で、未知なるものに挑戦して行く若い人達、そこにACTさんの姿勢が感じ取れて、素晴らしい。

 3回生で部を卒団されて行く面々の、何本か観せてもらったその舞台が思い出させて来て、また涙する。

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2017年11月11日

KYOTO EXPERIMENT 2017 フリンジ「オープンエントリー作品」参加の3作品を観て


   16 | 京都音楽劇団 『 占い探偵団おゴタ探偵事務所 』
           作:森川綾子 演出:山田かつろう
          日時  10月22日(日)

  24 | 居留守 『 鳥を吐き出す 』 演出 山崎恭子|
          日時  10月27日(金)〜29日(日) 

  31 | 勝手にユニット BOYCOTT  
       『 ジ・エンド オブ ザ クロックタワー 』 
           作・演出  坂口弘樹
          日時  11月4日(土)〜5日(日)


 2017.10.02〜11.05の間 京都府下で発表される31作品。
 拠点も作品ジャンルの境界も超えたさまざまなアーティストによるラインナップ。
 その中の3作品が、今年も人間座スタジオで公演された。

 16|「会場も巻き込み!一緒にドタバタ謎解き事件、犬?あんパン?で事件は解決できるのか?」
                                     (作品コメント)

 音楽劇団だからミュージカルと思いきや、会話劇で、若い人達が懸命に取り組んでいる様子は好感が持てるのだが、中身が20分ではあっけない感がした。人間座スタジオでは初めてのことだ。
 それから舞台に生きた犬が2匹登場したり、また公演後その犬との交流会というのもあって、観客はあんパンをもらえたりで、普段の劇場の雰囲気ではない、お母さんと子供たちの楽し気な姿がそこにはあった。
が、夜の部は残念ながら台風のため取りやめとなった。
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 24|「何度となく使い古された言葉を破壊せよ。その中に壊れていない何かを探し求めるのだ」
                                    (作品コメント)

 山崎恭子さんはスケールの大きい人だとつくづく実感する舞台だ。
 凡人では考えつかない発想で、舞台を創造して行く。(前回の作品もそうだった。)
 その不思議な魅力は、内容の難解さにも拘わらず、観客を惹きつけて離さない。
 「クレオールの民話」「コロンブス航海誌」「ネギをうえた人」「インディアスの破壊についての簡潔な報告」の参照テクストを下に、世界を見詰め直そうとの思いが漠然とではあるが伝わってくる。
 こうした考えを舞台に織り成そうとしている女性、山崎恭子さんに拍手を贈る。

 31 |「”時計塔のある街”とエレクトロをバックに繰り広げられる、不可思議なエンターテイメント。」
                                        (作品コメント)

 若い人達が、舞台狭しと、いっぱいにくるくる暴れまわり、歌ありダンスあり、童話の世界ありの、
 スリルもサスペンスもある、若さ溢れる楽しいエンターテイメントの舞台だった。
    
 作品の内容は、一人の自称作家が引き起こす、古本屋で見つけた絵本の持ち主探し。
 作・演出の坂口弘樹さんの文学青年らしさが感じられる、好感の持てる作品だ。
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2017年10月22日

アトリエ劇研シニア劇団 空いろ 第2回公演 を観て


        『 泰山木の花ひらくとき 』                                     

             構成・演出   細見佳代

    日時 2017年10月13日(金)〜15日(日)  会場  人間座スタジオ

 構成・演出の細見佳代さんに拍手・喝采を贈る。
 作品の内容は勿論のこと、シニアの人達を指導され、よくぞここまでの感動的な舞台を創られたことだと、頭が下がる。悪しきプロの舞台より、良きアマチュアの舞台の素晴らしさの見本のようだ。

 これまでに観たシニア劇団の人達の舞台は、作品から言っても、プロの人達の真似をしようとするのが先行していたように思う。
 が、細見佳代さんは、取り上げる題材からして「老い」と言う、シニアの人達には気持ちの込められるテーマで、また一人一人の劇団員を良く知りぬき、その個性を充分に生かし切って、出演者全員が生き生きと役に入り込んでいる、見事な作品を創り上げられた。
 その才能は高く評価されるもので、今後も良い舞台を期待しています。

 作品の内容はチラシより転載
「誰もが迎える”老い”。それは自然の過程だが、超高齢社会の到来と共に、老いは“社会問題”となった。
 満開の時も、盛りを過ぎた時も、花にはその時々の美しさがある。義父の介護に直面した女性の姿を通して、老いといのちをみつめる。」

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