2019年12月30日

劇団ケッペキ 2019年度3本足のオクトパス公演 を観て


   ” 寒かったりする ”
           @ 『 ミックスアップ 』 作・演出 鮫島美月
           A 『 そこにいる悪寒 』 作・演出 富川幹也
           B 『 彩雲の心得 』   作・演出 岩見知歩


   日時  2019年12月7日(土)/ 8日(日) 会場  人間座スタジオ

 【一言感想】

 しっかりと書かれている三作品は、それぞれに異なる世界を創り出していて、それぞれに面白いと思った。

 オムニバス作品のテーマが「冬」となっているが、季節ではなくて、三作品が問題にする「寒気を催させるもの」があって、それが、@は拳銃、Aは怪物、Bは惚れ薬 と考えてみたがどうだろうか。

 @は 現代社会のリアルな日常風景を切り取っていて、一番分かりやすかったし、面白かった。
 Aの良いと思った点は、男女間の機微を、洒落た描き方で描きながら楽しんでいる風に見えたことだ。
 Bは日本の片田舎の、閉塞した世界がよく描けていたと思った。

 既成の脚本もよいだろうが、オリジナルの作品では、出演者もそれぞれの持ち味が十分に発揮されるていて、力強く感じられた。
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2019年11月24日

劇団ACT 令和元年 秋の卒団公演 を観て


     『 道化師の歌が聴こえる 』    作  渡辺和徳
 
                   演出  冷やし中華始めました


  日時  2019年11月16日(土)〜17日(日)  会場  人間座スタジオ

 【一言感想】

 作品については、抽象化された場所が設定されていて、何処かの国を連想させるのだが、そこは壁に閉ざされていて自由に出入りすることが出来ない場所だ。
 その中で起きる人間の葛藤や兄弟愛が展開されて行くのだが、内容というよりは、出演者の真剣な演技に惹きつけられて観せられてしまった感じがする。
 また、演出の力によるのだろうが、裁判の場面なども上手く絡めて緊張感を出し、全体的にまとまっていて良かった。

 何時もながら卒団公演は、部を去って行くメンバーの集大成であり、見応えのある舞台となって目に焼き付き、忘れ難い。
 バトンタッチされた後輩たちも、もう次の舞台を考えているようで頼もしい。

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2019年11月13日

ソキュウ第三回公演 を観て


        『 顔皮ーganpi  』    劇作・演出  美女丸

   日時  2019年11月8日(金)〜10日(日)  会場  人間座スタジオ

   【一言感想】

 何故か観てしまっていた、青春時代のある風景。
 
 文化祭を目前にして、放課後の時間、高校生の男女4人は、教室で舞台の小道具をダンボールで作っている。
 おしゃべりをしながら。それだけの舞台。
 どこかの教室を覗いているような。出演者も自然体で、演技をしているようには見えないので 。
 何が起こるのでもないけれど、観ているうちに、4人それぞれの置かれている立場が、ぼんやりと浮かび上がってきて、それに引かれて何時までも観ていた。それも自由な席で、自由な観方で良いとのことで。

 舞台美術も良いセンスで、斬新で面白かった。

 「ソキュウ」を牽引されている美女丸さんは、「人間の愚かさに着目した芸術」を標榜されているそうだが、次々と発表されてくる作品に目が離せない。
 益々の活躍を期待し願っています。

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